1980年
11月20日午後3時頃、川治プリンスホテル雅苑で出火。この日大浴場と女子浴場の間にあった
露天風呂の解体工事が行われていた。その際、転落防止用の鉄柵を切る
ガスバーナーを使用していた。ところが、この火花が何かの拍子に、木造平屋建てだった浴場棟の隙間に入ったものと見られる。この日は
東京都杉並区から
紅葉見物に来た老人クラブが2組あった。1組は滞在、1組はホテルに到着したばかりだった。午後3時12分頃、
火災報知器のベルが鳴った。ところが従業員はろくに確認もせず
「これはテストですから御安心下さい」という館内放送を流していた。この際、「おかしい」と思って避難した客は助かっている。その後再びベルが鳴り、別の従業員が、大浴場付近へ様子を見に行ったところ、既に浴場付近は炎と煙に包まれていた。
宿泊者の大半が老人だった事や、従業員の出勤前で適切な避難誘導がされていなかった事、また建物が増築に次ぐ増築で
迷路のように複雑だった事が、宿泊客にとっては命取りだった。また火災の急報を聞きつけて地元
消防団が消火に駆けつけたが、
川治ダムの放水前だった事で
水利を得られなかった事や、
新建材からでる有毒ガスにやられ、宿泊客40名、従業員3名、
バスガイド1名、
添乗員1名の合計45名の死者を出した。日本における建築物火災による死者45名は1972年の
千日デパート火災(死者118名)・1973年の
大洋デパート火災(死者104名)に次いで3番目である。