映画『翔べイカロスの翼』は、
道化師として子どもに夢を与えようと努力しながら、興行中に不慮の事故で死亡してしまった青年の実話(
草鹿宏著作のノンフィクションをもとに制作)である。さだは前年の「
関白宣言」の大ヒットにより多忙な日々を送っていたが、その中でロケをこなし、音楽も制作した。音楽を制作したときには大阪のホテルで午後8時から台本を置いて、作品を収録したビデオテープを見ながら4~5時間かけて順に曲を付けていき、最後に主人公の青年が死去するシーンになった。そのシーンの後には青年が死んだことを知らない
[これは、青年が道化師は子どもたちに夢を与える仕事なのだから、自分が死んだことを知らせないでくれと伝えていたため。]子どもの台詞が入り、台本には「主題歌」と書かれていた。さだは即興でサビの「笑ってよ君のために〜」という歌詩とメロディを同時に思いつき、そこから曲を書き上げたという。なお映画『翔べイカロスの翼』は
インディーズ作品であったためにヒットというわけにはいかず、ビデオ化などもされていない。
さだは詩を完成させた後で「道化師のソネット」というタイトルを付けたが、命名後に詩の行数を数えたら、偶然
ソネットの形式通りの14行になっていたという。つまり意志的に14行で完成させたから「ソネット」と名付けたわけではない。さだはこの偶然について「神さまっているのかもわかんない」とコメントしている。曲は大ヒットしオリコン・チャートでは
海援隊の「
贈る言葉」に次ぐ2位まで上昇した。現在でもさだのコンサートの重要なレパートリーの一つになっている。